2018年 07月 27日
【ウェイ・マネジメントのレッスン】― 3
Ⅰ.企業理念は何のためにーその3
これからウェイ・マネジメントの目的について考えていきたいと思いますが、その前にウェイ(企業理念)の内容について少し整理をしておきましょう。例として、わたしが関わっていた花王の「花王ウェイ」、同業のP&Gの「企業理念(PVP)」、そして企業理念としてはたぶん最も名高いJ&Jの「クレド」、それぞれのサイトにリンクを張りましたので、ざっとご覧ください。
http://www.kao.com/jp/corporate/about/policies/kaoway/
Procter& Gamble 「企業理念(PVP)」
http://jp.pg.com/about/policy/index.jsp
Johnson& Johnson 「我が信条(Our Credo)」
https://www.jnj.co.jp/group/credo/index.html?nv=foot
全体の構成は、花王とP&Gでかなり似通っていることに気づくことと思います。いまの企業理念は、だいたいこのような階層構造になっているのがスタンダードです。階層のいちばんうえは、花王でいえば「使命」、P&Gでは「企業目標(Our Purpose)」となっています。その他の階層としては、「価値観」と「行動原則」が共通で、違うところは花王ウェイでは「ビジョン」が追加されています。
J&Jは、四つのステークホルダーが掲げられ、それぞれについて責任を果たすために実践しなければならない事柄が述べられています。
こうした比較から、理念には次の要素が不可欠であると言えるでしょう。
n その企業の存在意義、目的、使命:私たちは何のために存在しているのか=What we exist for
それは、社会における役割と言い換えてもいいでしょう。それぞれの会社のコアとなるメッセージを拾ってみると次のようになると思います。
花王:豊かな生活文化の実現
P&G:世界の人々の、より良い暮らしのために
J&J:顧客一人一人のニーズに応える
また、同じホームページには、理念が果たす役割が記述されています。ここはウェイ・マネジメントの目的を考えるうえで重要なので、次回じっくりみていきたいと思います。
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下平博文
Philosophy Driven Organization Network 主催
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